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傍聴席から考える あぁ、人間とは・・・

休 題

傍聴席から考える


あぁ、人間とは・・・

マスコミの連日「首相退陣の時期」と「脱原発」報道には些か食傷気味で、「バベルの塔」の現代への射影を考察することは今回、「休題」とし、短文になるが最近の出来事について書いてみたい。
数年前「裁判傍聴ノススメ」という拙文を出した。あのとき書いた内容と東京地裁が若干異なるのは、あちこちに「節電20%」と掲示してあり、照明が多少落とされていること、エレベーターが数基止まっていることぐらいではないだろうか。二日間傍聴して感じたことを述べる前に、書いておきたいことが一つある。

「裁判傍聴ノススメ」を出したその日、裁判所からの一通の封筒が届いたことは忘れられない。私に対する「名誉毀損、損害賠償」の訴状を裁判所が受理したという内容であった。受けて立つことは孤立した争いになりそうだったが、幸い、強い助言者も複数おられ、長期にわたって負のエネルギーを要したが私の主張が通った。霞ヶ関の駅から裁判所まで歩くとき、あの時のことが否が応でも蘇ってくる。しかし「あんな文章を書かなければよかった」とは不思議に思わなかったことも覚えている。
chisai01

(東京地裁・高裁・家裁)
さて、この二日間、東京地裁で久しぶりに傍聴席に座った。
夏休みになって、学生・生徒の裁判所見学が多い。いい社会勉強になると思う。20%節電中とは言え、猛暑の外に比べ、涼しい快適な静寂な環境・空間で、いろいろな法廷で繰り広げられる「人間模様」を学ぶことができる。しかも授業料は無料。傍聴券が必要でない裁判からでも多くのことを学ぶことが出来る。人間の生き様が生々しく見えてくる。
昼食は広い地下食堂で、600円台で「高級」な「定食」を食べることが出来る。数十年前の学生食堂を思い出させる気がしないでもないが、サービスもいい。ラーメンは400円台、お弁当もある。喫茶室内のあちこちで、弁護士と依頼人の打ち合わせの姿が見えるがここも居心地がいい。
刑事裁判、民事裁判をそれぞれいくつか傍聴した。
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(東京地裁入口)

刑事裁判では相も変わらず暴力事件や窃盗が多いが、薬物法違反が多いことが気になる。しかもインターネットを利用した売買が多い。ある法廷では、にせの薬物と知っていながら通信販売で売った会社の人間が被告席に座った。弁護士は被告一人に一名ずつ、計三名。検事は若手の男女二名。裁判官も若手。
三名の被告のうち、二名は罪を認め、一人は黙秘。黙秘している被告の代理人(弁護士)はベテラン風の弁護士で、若手検事が早口で話すのが聞き取りにくいと大声で「威嚇」し、たたみかけるように「個人ではなく会社がそういう売買をやっていたという証拠を出せ」と迫った。そのうちに、黙秘の被告本人は居眠りの「演技」。
「悪い奴ほどよく眠る」という映画があったな、と思い出した。
「ここに裁判を傍聴に来ているこの生徒や大学生に、あなた方のそんな不遜な態度を見せていいのか。堂々と発言したらどうだ」と傍聴席から叫びたくなった(言ったら退廷を命じられただろうが)。
もっとも言葉尻をとらえて、本題は論じていないのはこの法廷だけではない。国の政(まつりごと)を司っている人間から、マスコミまで皆、トポロジカルに同型な社会になっている。
今回の大震災で三週間、太平洋を漂流し、その後救助された柴犬の「従順さ」が何故、人々の心を打ったのか。別に本能や習慣が大事だということを言っているわけではない。「・・・の御為」(・・・には「家族」という言葉が入るだろう)という真実のフィクションが重要なのではないだろうか。
「子供たちも孫たちもみんな死んでしまった。生き残って幸せなのかどうか、私にはわからない」と言ったあの老女の言葉も忘れられない。

離婚訴訟、金銭トラブル、立ち退き訴訟、奨学金踏み倒し等々、民事裁判は流れ作業のように次々に処理されていく。悪いとわかっていてなぜやったのか、という裁判官の質問に、助かるためなら親子愛、夫婦愛といった劇場型の演技も飛び出す。検事も裁判官も素人芝居と分かっているはずなのに。
あぁ、人間というのはいつになってもどうしようもない生き物だ、傍聴席ではそれが自分を写す鏡のように見えてくる。

カタストロフィの理論というのがかつて話題になったことがある。「大変動」を意味し、同時に「悲劇的な結末。破局」を意味する。政(まつりごと)を司る人間はカタストロフ的発言は極めて慎重に熟慮した上ですべきである。綺麗ごとは野党ができる発言である。カタストロフ的発言を、率先して国の最高責任者が言うことによって生じるカタストロフ。実(げ)に人間の育った環境は恐ろしい。

次回は「閑話休題」の予定。
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プロフィール

marchan

Author:marchan
千葉 糺(ちばただす)
1947年生

東京理科大学大学院修了(数学・複素関数論専攻)
平成14年~18年度学習院中等科長・高等科長。任期満了の後、学習院高等科教諭(平成19年~24年度)を経て
学習院名誉教授。

(写真は雑誌『Shi-Ba』V.43
から。黒柴マーちゃん,
愛猫いっちゃんと)

国画会彫刻家 故・千野茂氏にデッサンを学び、その後テンペラ画を中心に個展、グループ展等開催。

時間を見つけて谷中「全生庵」坐禅会参加。日本ユダヤ学会会員。
2007年、イスラエルを中心に旅行。


最近の紀要論文
(1)『イエス・千日で世界を変えた男の受難』─「『事実』と『真実』というaporia」─
学習院高等科紀要第5号(学習院高等科 2007年)

(2)『イスラエル・灼熱の旅 リポート』─荒野の民から学ぶ─
学習院高等科紀要第6号(学習院高等科 2008年)

(3)『ナザレのイエスはキリストか』=二千年前の一ユダヤ人の死をめぐる過ぎ去ろうとしない「過去」=
学習院高等科紀要第6号(学習院高等科 2008年)
(4)『ユダヤ灼熱の旅リポート2』
─平和ボケの民と臨戦態勢の民─
学習院高等科紀要第7号(学習院高等科 2009年)
(5)『聖書への旅』─「生きること」の意味を探して≪マタイ受難曲を聴きながら≫─
学習院高等科紀要第8号(学習院高等科 2010年)
(6)「パリサイ派とは何か」─現代に問う
補遺 聖書を側面から理解するために
学習院高等科紀要第9号(学習院高等科 2011年)
(7)─横顔・一七世紀オランダ絵画・印象派─西洋絵画についての一考察
学習院高等科紀要第10号(学習院高等科 2012年)
(8)聖書が私に教えてくれること
─『イザヤ書』、コルベ神父、そして山本七平─
学習院高等科紀要第10号(学習院高等科 2012年)
(9)四十年を振り返る
学習院高等科紀要第11号(学習院高等科 2013年)
(10)『院歌の周辺』 ─安倍能成 信時潔 岩波茂雄 頭山満─(学習院高等科 2014年)
(11)『ヘブライ語で学ぶ創世記Ⅰ』「ノアの箱舟」
(12)『これからの教育はどうあるべきか 数学者・秋山 仁先生との対談』(学習院高等科 2015年)
─ 今まさに問われていること ─
(13)『国際化とInternationalizeの狭間で』
─その大いなる溝─(学習院高等科 2015年)
(14)『これからを生きるために』─未来志向の経営の理念─(学習院高等科 2016年)
(15)『地球儀を傍らに』─教職追放 地政学 国際法 民主主義─(学習院高等科 2016年)

(写真は死海での筆者,
シナイ山頂での夜明け)

「現代社会の問題を糺し未来の扉を開く会」

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